様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 季節は秋になっており、既に作物の収穫が始まっていた。
 すでに俺たちが帝国にいるようになってから10ヶ月の時が過ぎていた。
 これが終わって税が国や貴族に納められると、いよいよニュルンベルク公爵討伐に向けた動員が行われる。
 帝国軍は、正面戦力だけで三十万人を動員する。
 これに補給部隊や情報収集のための部隊、占領地の軍政を担当する部隊などもあるので実数はもっと多い。
 財政が苦しかろうと皇帝が無能だろうと帝国の官僚システムが優秀である証拠とも言えた。
 だが悲しいかな戦争は指揮官の能力で決まってしまう。
 軍の練度や補給状況は一定に保たれているが、ニュルンベルク公爵には地の利があり、軍は精強で、資金も物資も豊富である。
 指揮官の質は完全に向こうが上であろう。
 中級以下の指揮官も彼が独自に選抜して鍛えているのだ。
 三倍の数があっても帝国軍が勝てる未来が俺には思い浮かばなかった。
 執務室でファブレ伯爵領の年度開発計画書の最終書類を処理していた。

「王国は、静観ですか?」

「輸送手段が封じられたからね」

 俺の言葉にフィリップ達が顔を見合わせた。

「ようやく効果範囲が分かった」

「長いですね」

「北や東や西のほうに人を派遣して確かめたみたいだよ、ただ・・・」

「ただ、なんです」

「ニュルンベルクと皇帝によって食料調達が行われ、サッカートの町周辺と北は問題ないだけどね」

「南寄りでなにか?」

「南西付近の食糧と治安は悪化の一言だそうだ」

 2人は顔を見合わせる。

「それは・・・」

「荒れるだろうな」

 サッカートの町周辺と北部と中央から上の東部に限っては食料が潤沢にあるのだ。
 理由は、ヘルムート王国とフィリップ公爵家やミズホの食料販売が理由なのだ。食料が届く中央はいいのだ、問題は食料が届かない地域である。

「俺達側の問題は、テレーゼたちだ」

「何かありましたか?」

「王国からの情報だと俺たちに褒美を渡さないで、家臣たちに褒美を渡しているそうだ」

「それは困りましたね?」

「食料の安定供給の断ち切りは契約解除条件になるんだよね」

「フィリップ公爵たちは、我々を見捨てたと」

「そうだろうな」

 俺は、情報を元に移動・通信魔法無効化装置の位置を割り出した。

「このあたりか」

 南方のとある一帯を指差す。

「広いですね。もう少し割り出せないのですか?」

「王国の北方領域と帝国全土にかかる移動・通信魔法無効化装置の効果範囲が違いすぎるのが悪い」

「確かに違いますね。ヘルムート王国は、大体、北方300k屬効果範囲ですか」

「そう、それに対して帝国全土だから8000k屬これの範囲内だ」

「普通に考えれば帝都から北300km、このサッカートの町あたりですよね」

「そうだ」

「なぜ、南なのですか。反乱軍の領土だからですか」

「その説明に答える前に、なぜ王国と帝国とではこれほど効果範囲が違うのか、簡単に説明するとギガントの断裂が発生する強力な魔力力場が邪魔をして王国への被害がこの程度で済んだわけ。後は簡単だ、王国に依頼してギガント周辺の魔力の濃度を確認してもらい、そこから割り出したからだ」

「なるほど」

「計算方式等の詳しい説明も要る?」

「いらない」

 フィリップ達がXやYやVなどのアルファベッドと長い計算方式に顔を引きつらせていた。

「ルーク、この後、どうするの?」

 ハクカが聞きたそうな目を浮かべながらたずねてきた。

「密偵たちには、これを使ってもらう」

 俺は、青いペンダントを魔法の袋から取り出した。

「それは」

「幾らなんでもこのあたり一帯400k屬發療效呂任涼気景には時間がかかる。そこでこのペンダントで捜索してもらう。最初は青だが、ここから徐々に濃い青になり、最終的には濃赤になる」

「なるほど、これがあれば探索も楽になりますね」

「頼むぞ。シュルツェ伯爵」

「お任せを」

 シュルツェ伯爵が執務室を出て行った。
 俺たちは、執務室に溜った書類を見てため息をこぼした。
 この書類の多くがヘルムート王国との交易関係の税収の書類なのだ。幾らなんでもサッカートの町の代官に任せるわけにいかずシュルツェ伯爵たち王国人に処理させていたのだ。これも戦功?のひとつになることを夢見ながら処理していた。夢を見るぐらいは自由のはずだ。

「実際には、戦功にはならないんだよね」

 ハクカの一言で俺たちは、夢から現実に引き戻されたのであった。

「ヘルムート陛下たちも人が悪い」

「間違ってはいませんからね。交易が拡大していけばシュルツェ伯爵たち親善大使一行もこの手の書類処理を一時的にさせられることになりますからね」

「俺たち関係ないけどな」

「魔法使いは使節団要員なので緊急時に手伝うことが義務付けられてはいますけどね」

「ひどい」

 書類処理をして日が暮れるのであった。



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