様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 帝都郊外の陣地に戻ってから一週間後。

 ヴェル達は突如、皇宮に呼ばれた。
 その後、待ちわびた使者が来たので俺は、王国人を集めていた。
 残念ながらミカン、ハルカ、タケオミさんたちは、ミズホ人なので除外されていた。

 フィリップ、クリストフ、シュルツェ伯爵である。

「しかし、導師もヴェルたちの付き添いか」

「仕方なかろう」

「はぁ・・・とりあえず読むぞ」

 俺の一言で3人が緊張していた。
 尚、現在、テントは王国兵によって警戒態勢を取られていた。

『ルーク伯爵を総大将とし、参謀にブランタークをつける。フィリップ騎士爵は、王国軍兵士を指揮する指揮官として任命する。クリストフ騎士爵は、フィリップ騎士爵を補佐として軍政官を任命する。遊兵としてアームストロング導師、バウマイスター伯爵家は参加されたし。移動・通信魔法無効化装置を破壊せよ。立場は傭兵として参加されたし』

「予想どおりですな」

『ルーク伯爵は、シュルツェ伯爵たち親善大使一行を保護されたし』

「これも予想通りですな」

『ルーク伯爵を使者として、補佐にシュルツェ伯爵を任命する。友好国としてミズホ伯国との外交をアーカート神聖帝国に開国させよ』

「まあ、目をつけるのは当たり前ですな」

 シュルツェ伯爵は、同意していた。
 俺は、もう1通の手紙を見た。

「どう見ても外交のカードして使えってことじゃないか」

「何が書かれていた」

「アーカート神聖帝国に対しての今までの分の損害賠償と親善大使一行に対して謝罪かな。はい、シュルツェ伯爵」

 俺は、手紙をシュルツェ伯爵に手渡した。

「なるほど確かに外交のカードとして使えですね。しかしこれは・・・」

「だろう。しかも間違ってはいないから、始末に終えない。次は」

『ヘルムート王国への通信隊長および補給隊長にルーク伯爵に任命する。補給部隊に関しては、ルーク伯爵に一任する』

「俺かよ」

「現状、ヘルムート王国との通信および補給を確実に出来る人材だからでしょう」

「はぁ」

 俺は、次を読む。

『シュルツェ伯爵並びフィリップ騎士爵は、生き残っている王国人リストを作成し、ルーク伯爵に提出し、ヘルムート王国に報告せよ』

「どうぞ、ルーク伯爵」

 シュルツェ伯爵とフィリップが手渡してきた。

「お早いことで」

「いずれ必要になるのは分かっていましたからね」

『補給に関しては、1週間分ほど用意した』

「1日で準備したにしては早いほうか」

「そうですね」

『賃金に関しては、一人当たり1日銅板5枚とする』

「これって良いほうなのか?」

「そうですね。補給が出来ることを考えれば、いいほうだと思います」

『フィリップ騎士爵はルーク伯爵と協力して戦闘観察官を数名ほど任命されたし』

「これって・・・!」

「間違いなくそうでしょうね」

「現状、王宮に伝えるのは、王国人リストと今までの戦功ぐらいか」

「そうなりますね」

「フィリップ騎士爵とクリストフ騎士爵は、補給部隊を選んでくれ」

「分かりました」

「俺たちは、王国の使者として帝都かな」

 俺とシュルツェ伯爵は、身だしなみを整えてから行くことにした。
 俺は、帝宮に用件を伝えた。

「アーカート陛下にお伝えします」

 彼らが歩きながら、伝えに言った。

「状況を理解してないのか?」

「おそらくそうでしょう」

 1時間

 待たされて俺たちは、謁見の間に通された。
 身なりの良いアーカート十七世が座る玉座の前に跪く。

「先ほどバウマイスター伯爵たちにも伝えたが正式な褒美は、反逆者ニュルンベルク公爵を退治して後に支払ってやろう。それまでは、そうだの。サーカットの町にでも駐留して待っていてくれ」

 俺とシュルツェ伯爵は呆れていた。
 これが他国の正規の使者に対する礼儀なのか。
 傭兵としての報酬は、フィリップ公爵家が支払うことで同意したのだが、なぜ皇帝が支払う。

 いまだに、公爵なのか?

「アーカート陛下」

「なんだ」

 アーカート十七世は、不機嫌そうな顔をしていた。

「我々は、使者としてまいりました」

「使者?」

「ヘルムート陛下のお手紙でございます」

 俺が懐から、王印が押された手紙を取り出した。
 アーカート十七世とその取り巻きが慌てだした。
 文官の1人が俺から手紙を受け取り、アーカート十七世に手紙を差し出した。
 アーカート十七世がそれを読む。

「はったりに・・・決まっておる」

 そういいながら、顔を青ざめる。
 アーカート十七世が、誰かを呼び出した。
 呼び出された貴族たちに耳打ちすると

「ターベル山地砦と先日の戦闘は事実です」

 さらに顔を青ざめ、

「使者殿よ。おも・・顔を上げよ」

 アーカート十七世が震えながら言葉を発したので従った。

「ヘルムート王国のファブレ伯爵領とミズホ伯国との外交を認める。その代わりヘルムート三十七世には、しっかりと伝えてく・・・ほしい」

「はい」

「それとヘルムート王国との親善大使一行を危険にさらしたことを深く・・・お詫びする」

「謝罪はお受けしましょう」

「それとヘルムート王国人の保護の件も了解した。サッカートの町を好きに使い、ヘルムート王国人の衣食住を整えて欲しい」

「サッカートの町の件は了解しましたが、どの程度を好きにつかっていいのですか?税収や代官たちに対する命令権などは」

「サッカートの町の税収も代官たちの好きに使ってよい」

 俺たちの話が終わったので、退出することにした。
 早速、サッカートの町並びに近隣の町に対する行使権とミズホ伯国に対しての外交許可書を受け取った。
 王宮から退出すると

「あれほど青ざめる手紙とは一体」

「さあ・・・今すぐ賠償金を払えじゃないか」

 知らない二人は、幸せである。

 アーカート神聖帝国がヘルムート王国に対してした失点は

・反乱軍が選帝侯の1人であること
・反乱軍の中に多数の国軍がいたこと
・親善大使一行の殺人未遂
・親善大使使節団の魔法使いたちの殺害
・大型魔導飛行船の魔晶石が抜かれていたこと
・北方にまで届く通信・移動魔法妨害
・北方における小型の魔導飛行船の墜落と魔法使いと貴族の殺害

 さらに追加の失点
・いまだに反乱軍を選帝侯にしていること
・親善大使一行における謝罪の遅延

 そこで、ヴェルたちと合流して、野戦陣地に戻ってくる。
 すると、そこでミズホ上級伯爵が薪割りの台の上で何かを真っ二つに斬っていた。

「ミズホ上級伯爵?」

「ファブレ伯爵とバウマイスター伯爵か」

「一体何を?」

 俺達の前にミズホ上級伯爵も皇帝に呼ばれていたようだ。

「ありがたくもミズホ上級伯爵の爵位とミズホ伯国の臣従を認めるだそうだ。褒美は、ニュルンベルク公爵討伐後に。今は五代前の皇帝が愛用していた兜を下賜するだとよ!」

 1万5000人からの兵を出してかなりの犠牲も出しているのにミズホ上級伯爵への恩賞がそれとは激怒して当然かもしれない。

「あとは、バウマイスター伯爵と共に同じくサーカットの町で待てだそうだ。帝都近郊にワシらが陣を張っていると臣民達が不安になるとな。自分の無能さを棚に上げて良く言うわ!」

「まあまあ。こんな景気の悪い場所はとっとと引き揚げましょう」

「それもそうだな。これ以上、あのバカの顔を拝んでも意味がない」

「引き上げる前に、これを」

 ミズホ上級伯爵にミズホ伯国との外交許可書の紙を見せた。

「ずるいぞ」

 ヴェルの抗議は聞かなかったことにした。

「これは?ファブレ伯爵領との外交権か。しかしどうやって?」

「俺は、王宮に現在の状況などを伝えたのです。そうしたら使者としてヘルムート陛下の手紙をアーカート陛下に手渡しただけです」

「手紙を読んだらアーカート陛下は青ざめていたようなのでな」

「王宮からはなんと?」

「はい、これ」

 アームストロング導師に手渡した。
 アームストロング導師とヴェルたちは、手紙を読んでいた。

「つまり今までと変わらないと」

「変わらないな。せいぜいが正式に指揮系統が決まったぐらいか」

「バウマイスター伯爵を総大将にしなかったのは?」
 
「王宮の意図は分からん。所でヴェルたちがもらったのは」

「ああ・・・・これだ」

 ぼろい上着を見せられた。

「他に何かもらったか?」

「実は」

「・・・・断らなかったのか?テレーゼを生贄にでもしても良いから断れって言ったよな」

 俺の言葉にヴェルがそっぽを向く。

「1代限りとはいえ名誉伯爵か」

「すまぬ」

「悪いな」

 導師とブランタークさんが申し訳なさそうに謝っている。俺は2人を一瞥した。

「とりあえず、アームストロング導師とバウマイスター伯爵は、陛下に叙勲までの流れなどを手紙を書いてくださいね」

「もちろんである」

「バウマイスター伯爵は、なにか受ける前にシュルツェ伯爵やフィリップやクリストフの意見をちゃんと聞くこと」

「おう」

 俺達、王国軍組とミズホ伯国軍は帝都近郊から急ぎ指定された駐屯地であるサーカットの町へと向かう。



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