様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 サーカット町の近くに到着した俺達であったが、町に駐留する反乱軍の兵士数に変化は無かった。
 町の治安は元々警備隊の管轄で、彼らは居候状態である。
 一番防御力が高い砦に籠ればいいのに、そこだと倉庫内の食料や物資が横領される可能性があると商人達に反対され、仕方なしに町に居候していた。

 ただ、あまり質もよろしく無い連中なので、買い物や遊びに行ける町を好んでいるようで、この時点でニュルンベルク公爵はここをまともに防衛するつもりがないのかもしれない。

「重要拠点だと思うのですが……」

 エリーゼは、反乱軍の陣容に呆れ顔であった。

「すぐに取り戻せると思っているからでしょう」

「そうでしょうか?」

 エリーゼは、町と砦の南を隣接するように流れている川を見て、奪還はそう容易ではないと思っているようだ。

「解放軍に入り込まれても帝都周辺と南部だけ死守すれば反乱軍は痛くも痒くも無いからね」

 ニュルンベルク公爵にとって重要なのは、6万人の子飼いの部隊と自分に協力してくれる精鋭部隊のアーカート神聖帝国の国軍の40万人なのだ。
 彼らさえいれば、帝都解放を目指して南下を続ける解放軍を誘引して、帝都周辺で撃破も可能である。
 だから、ここで町の一つや二つくらい一時的に無くしても何の問題も無いと思っている。

「補給は南部と帝都周辺から受けられる。解放軍は余剰の食料を引き揚げられているので、暫くは補給体制の維持で時間を潰すな」

 その間に訓練を施して、使える子飼いの戦力を増やそうと思っているのであろう。

「若いのに良くニュルンベルク公爵の戦術を見抜くな」

 フィリップも俺と考え方が同じようだ。

「帝都北部付近を遊撃しながら、長躯した解放軍の息の根を一気に止めようとしている。解放軍の陣容から見て、ほぼ全力で決戦を挑まないと負けるからな。反乱軍は、そこでフィリップ公爵殿や主だった者達を討てば、あとはドミノ倒しであろうな」

 指導者や幹部達を失った解放軍など、それこそ簡単に反乱軍によって鎮圧されてしまうであろう。

「勝利後の帝国領内について何も考えていませんね」

「ニュルンベルクは、どうしても軍人の思考に片寄りがちですからねぇ……。不満は北部からの搾取などで中央と南部を優遇しつつ。帝国の一本化を計り、ある程度経済を建て直してから南下を試みるとかそんなところでしょう」

 クリストフの予想に俺も含めて全員が納得しながら頷く。

「先の話よりも、まずは目の前の拠点を落とす事だな」

 とはいえ、もう策は決まっている。

「反乱軍ども! とっととサーカットと砦を寄越せ!」

「何だぁ? ジジイが何の用事だ?」

 ポッペクさんが、選りすぐりの老人兵達を連れて町の入口で守備隊を挑発し始めた。
 彼らが顔を出すと、そこには七十歳を超えた兵士ばかりが自分達を挑発している。
 数に差は無いが、『こんなジジイ達に負けるか!』と激怒しながら町から出て彼らを追撃し始めた。

「逃げるなジジイ!」

「落ちこぼれで置いていかれたのに声と態度が大きいの。町でも厄介者扱いの癖に」

「ジジイ! 絶対に殺す!」

 図星を突かれたようで、守備隊の兵士達は我を忘れてポッペクさん達を追いかけていた。
 暫く鬼ゴッコが続くが、とある岩場に入り込んだところで彼らは自分達が包囲されている事に気が付く。

「ごきげんよう。お客様は丁重におもてなしをしないと」

 彼らの前に姿を見せたカタリーナは、『ウィンドカッター』の魔法で巨大な岩を綺麗に切り裂く。
 あまりの威力に彼らは口をあんぐりとさせたままだ。

「戦うと仰るのでしたら止めはしませんが、その時にはみなさん顔と胴体が永遠にお別れですわね」

 半ば見捨てられた拠点にカタリーナと対抗可能な高位の魔法使いなどいるはずがない。
 守備兵達は、全員武器を捨てて降伏する。

「かなりの重要拠点のはずなのに……」

 武装解除を指揮するハルカは信じられないといった感じであったが、それでも無事にサーカットの町と砦を落とす事に成功するのであった。



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