様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「ルーク様。お肉が焼けた」

「タレはどの味にする?」

「塩」

「ヴィルマのチョイスは渋いな」

 ようやく会議が終わったので、俺達は陣地内にある俺の庭でバーベキューをしていた。
 常夏の海ではなくまだ春の荒野でのバーベキューであったが、別にレジャーというわけでもなく、ただ単に調理時間の短縮とハクカやファラやセイへの負担の軽減だ。

 魔物の肉が大量にあるので、それと野菜を切って炭火で焼く。
 金網の上で焼いたお肉にタレを付けて食べるとあの凄惨な戦争も忘れられるという物だ。

「戦の後で肉なのか……」

 とは言いながらもリッドもお腹が減ったようで肉を沢山食べていた。
 死体と肉を関連付けても意味が無いし、あまりに人死にを見過ぎたせいでその辺の感覚も麻痺しているのであろう。
 残酷だが、所詮は顔も知らない他人である。
 気にしていても仕方が無い。

「(そう思わなければやってられない部分もあるな)」

 とにかくニュルンベルク公爵が動かしているあの装置の破壊が第一だ。
 あれをどうにかしないと色々と不利益が大きい。

「オリハルコン刀はどうだった?」

「凄い切れ味だな」

 切れ味に関しては、魔刀とほとんど差異が無いようだ。
 ただ、俺が打たせた三組を合わせても全世界に二十組ほどしか存在していない。
 残り二組が完成しても二十二組で、その内十七組はミズホ人が所有している。
 そのくらい貴重で誰もが欲しがる刀であった。



 俺は、戦友でもあるミズホ伯国の兵士達にワインを渡し、幹部たちには、上等なワインや天地の森産のフルーツを手渡し、戦死者には少ないが見舞金も渡していた。
 もし彼らがいなければ、俺達は戦死していたかもしれないからだ。



 俺とヴェルが見舞いを出した件でトヨツグさんはとても感動していたとミズホ上級伯爵は話していた。

『ファブレ伯爵様やバウマイスター伯爵様はお若いのに素晴らしいお気遣いである。お礼に私の娘たちをさしあげましょう』

 と言ったそうだが、さすがにそれはミズホ上級伯爵が全力で断ったそうだ。

『テレーゼ殿はバウマイスター伯爵に興味があるようだが、その件で五月蠅い貴族も多いからな。私の娘とファブレ伯爵の結婚など言い出したら、ミズホ伯国とヘルムート王国で帝国を挟撃する可能性がとか抜かす奴が現れるであろうな』

 そういう警戒感を抱かせないために交易の促進で様子を見るくらいで十分だとミズホ上級伯爵は考えているようだ。
 この分だとエルとハルカの結婚は前途多難だな。

「しかし、前途多難だな」

 俺は、自分自身のためにニュルンベルク公爵が稼働させている移動・通信魔法の阻害装置を完全破壊しないといけない。
 そのためには、テレーゼに協力して解放軍を勝たせないといけないわけだが、解放軍の内情は酷い物である。
 反乱軍も良い勝負かもしれないが、あまり両者でクダクダと内戦が続くと王国の方でも出兵論が出るかもしれない。
 勝って占領地を得たとしても、その統治に失敗すれば王国も疲弊する。

 嬉しいのは、領地を得た貴族くらいであろうか?

 統治に失敗すれば、あとで泣く羽目になる。

「テレーゼ様には頑張っていただかないと」

「それはそうじゃがの」

「テレーゼ様」

 いつの間にか俺たちの庭に来ていたようだ。

「今回の件で、ルークに報酬がある」

 基本的に俺達への報酬は出来高払いとなっている。
 活躍すればするほど報酬が加算されるので、既に戦功や陣地構築などで相当な額になっていた。
 戦後に一括して支払う事になっているが、多分、額が膨大になるので分割払いになる可能性も秘めている。
 本当は俺に対して借りを作るので良くないのだが、内戦で帝国へのダメージが大きそうなので、利息も付けて分割払いにするというわけだ。

 俺達がいないと苦戦するが、いれば報酬で高く付く。
 支払いを拒否すれば内外に大恥を曝すわけで、テレーゼは金勘定でも相当に苦労しているはずだ。

「報酬ですか?」

「先払いが可能な物を渡す。名誉爵位をな」

「名誉爵位? カタリーナのような?」

「似たような物じゃな」

 テレーゼの説明によると帝国では功績を挙げた者に対して一代限りの名誉爵位を与える事が多いそうだ。

「本当は、そなたに法衣でも正式な爵位を与えたいのじゃがな」

「申し訳ありがませんが、名誉爵位も正式な爵位も受け取れません。テレーゼ殿もお分かりでしょう」

「であろうな。それとアルフォンスが出した現在の戦功の試算じゃ」

 ヘルムート王国でも準戦時体制に移行しているはずだからである。


 戦功(ルーク)
 討伐 2881億3440万セント
 野戦陣地の工事・井戸掘り・畑の開墾 1650万セント
 けが人の治療 192万セント
 砦の防衛 7億2千万セント

 戦功(ハクカ)
 怪我人の治療 7億9632万セント
 砦の防衛 7億2千万セント

 戦功(ヴィルマ)
 討伐 109億3960万セント
 砦の防衛 7億2千万セント

 戦功(セイ)
 野戦陣地の工事・井戸掘り・畑の開墾 450万セント
 討伐 66億9600万セント
 砦の防衛 7億2千万セント

 戦功(リッド)
 討伐 936万セント
 追撃 576万セント
 畑仕事 240セント
 砦の防衛 900万セント

 戦功(ファラ)
 討伐 936万セント
 追撃 576万セント
 畑仕事 240セント
 砦の防衛 900万セント

 戦功差引
 ・鉱石(金・銀・鉄・銅・クロム・ニッケル・ボーキサイト・水晶・翡翠・瑪瑙)類 大量 1700セント
 ・土地代 50セント
 ・ミズホ伯国との直接貿易 0セント
 ・ミズホ伯国との人材交流 0セント

「これは・・・!」

「ミズホ伯国との人材交流や直接貿易は、今回の侘び代わりの一部じゃ。それと今回は、約束どおり、金銭を増額加味したのう」

 テレーゼは、ヴェルの庭に行くようだ。
 俺たちは食事を食べたら寝ることにした。



「おやすみ。ハクカ、ヴィルマ、セイ、リッド、ファラ」

「お休み、ルーク」

「お休み」

「お休み、ルーク」

「ルーク様おやすみなさい」

「お休み、みんな」

 魔法の連続行使で疲れた俺も目を瞑るとすぐに夢の世界へと旅立つのであった。



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