様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 翌朝。
 幸せそうに寝ている4人を見ていたが、今の時間帯を思い出し

「ハクカ、ミュウ、ヴィルマ、セイ。起きろ」

「はい……」

「・・うん」

「・・・んっ・・・」

「うん」

 治癒魔法をかけてあげながらハクカとミュウとヴィルマとセイを起こし、布団一式を魔法で『洗浄』してから、朝風呂へと向かう。
 部屋を出ると部屋担当の仲居がいたので、一両小判をチップに渡して部屋の片づけを頼んでいた。

「ファブレ伯爵様。お盛んだったようだな」

 風呂を上がってから、朝食を取るために昨晩宴会をした部屋に入ると既にブランタークさんが朝食を食べていた。
 ブランタークさんの問いにハクカとミュウが顔を赤くして、俺の背後に隠れる。
 ヴィルマは、普通だった。
 セイも頬を赤くしていたが、隠れてはいなかった。
 ミズホ式の朝食は、やはり日本の温泉旅館の物とそう違いが無かった。

 ご飯、味噌汁、焼き魚、お浸し、漬物、納豆、焼き海苔などだ。

 どれも懐かしい物ばかりであった。

「(ミズホ伯国。最高!)」

 急ぎ、ご飯を茶碗によそって食べ始める。
 米は南部でも盛んに食べられていたが、味はこちらの方が格段に良かった。
 ミズホ泊国があるアキツ盆地は夏が暑く、冬は寒くて温度差が大きい。
 つまり、四季がちゃんとあって、それが米の味を良くしているのだ。
 ここは水も綺麗で美味しいので、良い米が採れる条件を整えているのであろう。



 朝食後。
 俺達は、装備を新調することにした。

「本当は、スズネやアスナにも渡す予定だったんだけどね」

「まあ、仕方ないか」

 それぞれの武器や防具を手渡す。
 それぞれ着替えたり、履き替えたりしていく。

「軽いな」

「ほんとだ」

「うん」

「それに柔らかい」

「この上着とかは」

「その上着はプリオヒップスだな」

「この内着やズボンは?」

「アカシカ」

「これ、何の革靴?」

「アルパヤギだな」

「あの天地の森に生息していたあのヤギか」

「あのヤギだな」

「靴の中敷きには、イノシシの革が使われている」

「この艶は?」

「蜜と蝋をしみこませたやつらしい」

「ミスリル製だ」

「ああ・・・・一番適しているだろう」

 リッドとファラとヴィルマとキャロルとミュウの武器は、ミスリル製である。
 俺、ハクカ、セイの武器は、桐製である。
 それぞれ魔宝石が埋め込まれていた。
 魔宝石の効果は変わらないが、魔力の伝達率や消費効率は『魔倉庫』の『魔晶石』の研究と魔物領域の『木材』のおかげで、非常に良くなっているので、魔法の展開速度は速くなっているのだ。
 この木材は、全て天地の森のものである。通常、魔物領域で取れる素材は強度・美しさ等が普通の領域で取れるものよりマナの濃度が濃いため高いのだ。天地の森ほどのマナの濃度で取れる素材は、現在の魔物領域で取れる魔物以上の素材のよさを有しており最上級品である。天地の森に迫る魔物領域だと魔の森ぐらいしか記憶にないのだ。

 リッドはここ1年で10cmほど身長が伸びており、現在の身長は180cmぐらいである。装備品は、身体強化の魔宝石(赤石)がはめ込まれた銀色の腕輪とヘルタニア渓谷から取れたミスリル製の剣に天地の森産の桐の鞘、プリオヒップス製のコードバンの薄赤のジャケット、アカシカ製の白いTシャツ、アカシカ製の黒い長ズボン、アルパヤギ製の茶色い革靴、オーロックス製の茶色い魔法の鞄である。

 ファラの身長は変わらなかった。装備品は、身体強化の魔宝石(赤石)がはめ込まれた銀色の腕輪、アカシカ製の薄緑の道着、アルパヤギ製の茶色い革のブーツ、オーロックス製の茶色い魔法のポーチである。

 キャロルの身長は変わらなかった。装備品は、身体強化の魔宝石(赤石)がはめ込まれた銀色の腕輪、軽減化が施されたミスリル製の槍、プリオヒップス製のコードバンの黄色のジャケット、アカシカ製の衣類、アルパヤギ製の茶色い革靴、オーロックス製の茶色い魔法のポーチである。

 セイの身長は変わらなかった。装備品は、水の力を秘めた魔宝石(アメジスト)がはめ込まれた桐の長い杖、プリオヒップス製のコードバンの黒いロープ、アカシカ製の白いミニワンピース、アルパヤギ製の茶色い革のブーツ、オーロックス製の青いポーチである。

 ミュウの身長は変わらなかった。装備品は、聖属性を秘めた魔宝石(シトリン)がはめ込まれたミスリルの剣、アカシカ製の衣服、軽減化が施されたミスリルの鎧、アルパヤギ製の茶色い革のブーツ、オーロックス製の白色のポーチである。

 ハクカの身長は変わらなかった。装備品は、聖属性を秘めた魔宝石(シトリン)がはめ込まれた桐の杖、プリオヒップス製のコードバンの白いロープ、アカシカ製の白いTシャツ、アカシカ製の赤いショートスカート、アルパヤギ製の茶色い革のブーツ、オーロックス製の水色のポーチである。

 ヴィルマの身長は変わらなかった。装備品は、ミスリル製の戦斧、身体強化を秘めた魔宝石(カーネリアン)の銀色の腕輪、プリオヒップス製のコードバンの水色のジャケット、アカシカ製の衣類、アカシカ製の黒い半ズボン、アルパヤギ製の茶色い革のショートブーツ、オーロックス製の灰色のポーチである。

 俺の身長は、リッドと同じく10cmほど伸びていた。装備品は全属性の力を秘めた魔宝石(オーロラ水晶)がはめ込まれた桐の長い杖、プリオヒップス製のコードバンの黒いロープ、アカシカ製の衣類、アカシカ製の青いズボン、アルパヤギ製の茶色い革の靴、オーロックス製の茶色い鞄である。

 出発の準備を終えた俺達は

「装備品を変えたのか」

「はい。これからのことを考えたら」

「そうだな」

 ちなみにイーナやエルを除きイシュルバーク伯爵の地下遺跡攻略後からヴェルたちの装備品に変化はないのだ。元々ヴェルとエリーゼとルイーゼは、冒険者結成当時からの装備の変化なしである。エルの装備品は、オリハルコンの剣だったり、上質な鋼の剣や盾や鎧だったりしている。イーナの装備品は、魔力増加が契機なのかミスリルの槍に変化しており、上質な鎧を装備していた。
 再び馬車でフィリップ公爵領を目指す。

「フィリップ公爵殿。バウマイスター伯爵殿。ファブレ伯爵殿。兵を整えて待っておるぞ」

 ミズホ上級伯爵の見送りを受けて、馬車は北へと走っていく。
 アキツ盆地の北方にある山道を抜ければすぐにフィリップ公爵領に入れる。
 地理的に考えても、もうニュルンベルク公爵からの追撃は無いはずだ。

「ここでも駄目か……」

 『飛翔』魔法で少しだけ宙に浮こうとするが、頭に激痛が走ってすぐに中止する羽目になる。
 この北方にまで効果があるとなると帝国全土はほぼ妨害装置の影響下にあるといって良いであろう。
 下手にバルデッシュで稼動中の装置を解析・量産でもされたら目も当てられない。
 これは、意地でも破壊するしかなかった。

「しかし、ニュルンベルク公爵はどうやってその装置を手に入れたのかの?」

「未発見の遺跡でしょうね」

 俺達だって見つけられたのだから、帝国側でも見つけられないはずがない。
 古代魔法文明は、大陸全土で栄えていたのだから。

「戦争になるの。人が沢山死ぬ」

「はい」

 嫌な事ではあるが、ここでニュルンベルク公爵を討たなければ戦火が王国にも広がる可能性があった。
 だから、俺は人を殺す戦争へと参加する事を決意したのだ。

「フィリップ公爵の地位は重たいの……」

 そう言いながらヴェルの肩に身を預けるテレーゼ。
 正面にいるエッボは何か言いたそうであったが、さすがに邪魔をするとテレーゼの不興を買うと思っているのであろう。
 静かにヴェルを睨んでいた。
 彼は、テレーゼが第一の忠犬君なのだ。

「頼り甲斐のある殿方がいると妾の負担も少ないのじゃがな」

 憂いの表情を浮かべながらヴェルの肩にのしかかってくるテレーゼだが、反対側の隣に座るエリーゼに引き寄せられていたからだ。

「エリーゼ殿。酷いではないか。ここは、重責に苦しむ妾が憂いを見せてヴェンデリンの気を引く大切なところであるのに」

「そういう露骨な部分が信用できないのです。その前にヴェンデリン様は私達の物ですから」

 エリーゼがそう言うのと同時にヴェルとテレーゼの間にミリィが割り込む。ヴェルの前方にルイーゼが座る。
 更にヴェルの後方に座っていたイーナとカタリーナが背中の部分もガッチリとガードしていた。

「テレーゼ様は、同国の貴族様からご自由にお選びください」

「泥棒猫は感心しないね」

「人様の物に手を出すのは感心いたしませんわ」

「ガードが固いの。こうなれば、作戦の話があると偽って……」

「ご一緒にお供させていただきますわ。従軍神官として」

 エリーゼにピシャリと釘を刺され、テレーゼは残念そうな表情を浮かべる。
 この様子を見ていたエッボは、ホっとしたような顔をしていた。

「ルーク・・・できそう」

「多分な。系統的に魔倉庫の劣化版だが所々別の改良も施されているな。これができれば魔晶石がさらなる省エネができるな」

 俺は、魔導具の研究に勤しんでいた。
 現在の魔道具の研究は、ミズホ伯国の『魔晶石』である。魔道具の性能に直結するので、最優先で研究している最中である。
 ミュウとハクカは、俺の両隣に座っており、セイとヴィルマは、俺の背後におり、テレーゼを警戒をしていたのだ。リッドもファラもキャロルも後ろにいて警戒していた。
 ブランタークさんは御者席で警戒に当たっていたし、導師は朝風呂と大量の食事が原因のようでまた目を開けながらイビキをかいて寝ていたし、エルはハルカという女性と話をしながら楽しそうにしていた。

「南にある魔の森ですか。一度行ってみたいですね」

「この戦争が終わったら招待しますよ。あそこには、南国の果物が沢山ありまして」

「私。甘い物が大好きなんです」

「チョコレートの材料も取れますし」

「『ちょこれーと』というお菓子は、食料品屋の小父さんから噂だけ聞いています」

「少しさしあげますよ」

「本当ですか! ありがとうございます」

 テレーゼとエリーゼ達の対立が続くなか、馬車は半日ほどで無事にフィリップ公爵領へと到着するのであった。



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