様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 未開地の大半を下賜された俺は、王家からの命令でファブレ伯爵となり、本家を相続する身となった。
 細かい事だが、これをしないとルパン兄さんが継いだ騎士爵家が本家で、伯爵家が分家という奇妙な状態になるからだ。

 本家と分家の交代は、たまに発生する。

 時の流れによる栄枯盛衰という奴だが、血縁関係の濃い貴族家同士を見分けるためだけに分けて呼んでいるので、それで特に何かが変わる事もないそうだ。

 実質は別の貴族家同士なので、共犯ならともかく片方が何か罪を犯しても連座制などもない。
 無事な方の家に家族などが世話になるケースが多いので、貴族家による一種の保険制度とも言えた。
 子供が居ない場合に、そこから養子を迎え入れる事も多いそうだ。 
 山脈以南東の未開地は、伯爵になった俺が本家で寄親になった。
 その下に、ルパン兄さんが継いだ旧ファブレ本家とリョウ兄さんに分与された準男爵家がある。
 そして、将来的にはフェイト義姉さんの子供にも騎士爵領を分与する予定になっている。
 ただ、甥はあの事件の影響でファブレの姓を名乗れない。
 共にフェイト義姉さんの実家であるテスタロッサの姓を名乗る事になっていた。
 あとフェイト義姉さん自身の処遇であったが、子供を養育するために残るそうだ。

『まだ若いのですし、再婚とかは考えないのですか?』

『子供を生んだ出戻りの再嫁先なんて、良くてご隠居様の後添えか下手をすると商人の妾が精々だもの。もう結婚はしないわ。子供をちゃんと育てないと』

 トニーのようになられても困るので、ちゃんと漢字や計算も教えるのだそうだ。

『それに戻れないのよね。実家に何を言われるか……』

 テスタロッサ家からすれば、今回のトニーの失態は晴天の霹靂だったはずだ。
 普通に貴族の対応をしていれば、嫁ぎ先のファブレ領は未開地開発特需で潤っていたのに今では嫁がせた娘は暗殺未遂犯の元妻になってしまった。
 当然、立場的にうちに利益供与などは求められないわけだ。
 フェイト義姉さんが戻っても、ただの邪魔者にしか感じられないはずなのだ。

『リョウ様の新領地にお義父様やお義母様と一緒に移ります』

 隠居した父であったが、そのままファブレ領に残るとルパン兄さんがやり難かろうという事で、リョウ兄さんが開発を始める領地に移住する事になっていた。

 リョウ兄さんの領地も完全に一からスタートなので、父の領主としての経験も生きるはずである。
 あと、トニーと一緒に俺の襲撃に参加した共犯者の家族達も一緒に移住する事になっていた。

 多分、一番の被害者は彼らなのかもしれない。

 いきなり自分の祖父や父が貴族への暗殺未遂事件の共犯だと言われたのだから、共犯者は、極秘裏に参加をしていたので家族などに一切相談していなかった。
 気軽に家族に相談できる事でもなかったのだが、知った時には一家の主はもうこの世にいないわけだ。
 それに犯罪者の家族が周囲から偏見を受けるのは、どこの世界でも同じであり。 
 それを避けるために新しい領地へ移住する事になったのだ。
 とはいえ、リョウ兄さんの新領地は隣である。

『とりあえず、フェイト義姉さん。テスタロッサ騎士爵家って、どこにあるんです』

『・・・え』

 フェイト義姉さんが驚いた声を上げた。

『トニー兄さんの件は知っているだろうから俺からトオルについて説明が必要だからな』

『それならワシが説明しておくか?』

『ここから数ヶ月かかりますよね?』

『そうだな』

『飛翔して説明したほうが今日中に終わるし早いですよ。それにトオルについての決定を伝えるなら俺から伝える方が筋では?』

『貴族の訪問の場合は、事前に訪問することを伝えるべきなのだが』

『その頃には、未開地開発で忙しくなっていると思うのですが』

 というわけで、フェイト義姉さんを連れて飛翔してテスタロッサ家を目指すことにした。

『ルーク様、この体勢は、恥ずかしいのですが』

 フェイト義姉さんが、俺にお姫様抱っこされたままである。

『俺はテスタロッサ家を知りませんよ』

 消去法である。
 父ですらテスタロッサ家の正確な場所を知らなかったのだ。
 尚、俺の護衛にセイが付いて来るそうだ。
 1時間ごとに瞬間移動して屋敷で休憩し、再び目指すこと3時間後、山脈を突破した。

『あそこになります』

 フェイト義姉さんの指差す方向を目指す俺とセイ。

 それから3時間後。

 ようやく到着した。

『私が用件を伝えるわ』

 というのでセイに任せた。
 俺とフェイト義姉さんは、山で休憩することにした。

 1時間後

 俺、セイ、フェイト義姉さんは、テスタロッサ家の当主と夫人と向き合っていた。
 出されたお茶はマテ茶であったがファブレ騎士領よりマシなものであった。
 俺たちはお茶を飲み一服した。

『今回の件ですが、すでにご存知かと思います』

『もちろんです。そのうちは未開地利権を求めているわけではございません』

『トオルは将来的には、騎士爵家と男爵相当の領土を分与される予定です』

 俺の発言にフェイト義姉さん、テスタロッサ家の当主、当主夫人は驚いた顔を浮かべていた。

『よろしいので』

『陛下にも確認を取りましたが問題ないです。欲しいのは、数年後に騎士爵になる予定のトオルの家臣と領民です。ご存知の通り、俺は忙しいので、ルパン兄さんやリョウ兄さんも同じです。家臣まで考えると手が回りません。そこで、テスタロッサ家に一部の家臣を揃えて欲しいのです』

 半分建前のような物である。
 家臣の斡旋を募集すれば集まると思うけど、テスタロッサ家にも利権を分けることにしたのだ。
 
『そういうことであれば、わがテスタロッサ家も協力しましょう』

『それと余裕があれば農民かな』

『分かりました』

『最短で3年後には、トオルには騎士爵をルパン兄さんに連れて行ってもらい王都で受けてもらいます』

 俺の発言にテスタロッサ一家が頭を下げて、事情説明は終わった。

『それとですが・・・商人と大工の斡旋をお願いしたのですが』

『大工と商人ですか・・ですが』

『交通費ですか?』

『その通りです』

 何しろ騎士爵だからな。

『王家とブライヒレーダー辺境伯に話しを通しておきます。大工と商人の方がブライヒブルクにあるブライヒレーダー辺境伯の領主の館を訪ねてきたら、魔導飛行船に乗れるように手配しておきます』

 領主の家を出ると

『ルーク様、トオルの騎士爵の分与と領土ですが、本当ですか』

『ああ。陛下や導師もそのつもりで俺に爵位の分与をくれたみたいだ』

 俺たちは『瞬間移動』して、屋敷に戻り、トオルの処遇について、父、母、ルパン兄さん、リョウ兄さん、ハクカ、リッド、セイ、ヴィルマ、ミュウに話をしたのであった。



Menu

メニューサンプル1

メニューサンプル2

開くメニュー

閉じるメニュー

  • アイテム
  • アイテム
  • アイテム
【メニュー編集】

編集にはIDが必要です