様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「へえ、豪華なお屋敷が多いんだな」

「ここは、ブライヒレーダー辺境伯家でも重臣ばかりが屋敷を構える区画だからな」

 領主館を出てすぐの場所に豪華な屋敷ばかり並ぶエリアがあった。
 ブライヒレーダー辺境伯家ほどの規模ともなると身代が騎士爵、準男爵よりも上の重臣が多数いる。
 彼らは上級家臣として、このエリアに豪華な屋敷を建てて住んでいた。 

「ルーク君は、冒険者時代ここに来たことはあるの?」

「いいえ、お呼びじゃないですからね」

 ブライヒブルクにいた頃は、ただの冒険者予備校の生徒だったからなぁ。
 当時はイーナとルイーゼの実家にも行ったことがなかったし、もし行ったとしても二人の実家はこのエリアにはない。
 まったく縁がない場所であった。

「ブランタークさんは? あの人、金持ちじゃん」

「あの人、結婚するまで下級家臣が住むエリアにいたんだよね」

 独り身だから広い屋敷なんていらないと結婚前はここには住んでいなかったのだ。
 今はちゃんとここに屋敷を構えているわけだが。

「確か、あの屋敷だな」

 少し歩いたところで、ブライヒレーダー辺境伯から教わったブランタークさんの屋敷に到着した。

「やっぱりいい屋敷に住んでるな。庭も広いし」

「そうね」

 大きな屋敷と正門の間には広い芝生の前庭が広がっており、俺たちはそちらに視線を向ける。
 すると、前庭の真ん中で誰かが何かをしているのを見つけた。
 姿勢を低くしながら俺たちに背中を向け、誰かと話をしているような……。

「ルーク君、きっと子供と遊んでいるのよ」

「そうか」

 ブランタークさんにはまだ7歳前の娘がおり、とても可愛がっていると聞いた。

「子供を庭で遊ばせていたのか。メイドさんかな?」

「なあ、あれ、男じゃないか?」

 リッドの言うとおり、体の大きさなどから考えると子供をあやしているのは男性か。

 ということは、屋敷の使用人か誰かか?

「ブランタークさんに用事があるし、声をかけてみよう。すいません」

 俺は、こちらに背中を向けて子供と遊んでいる男性に声をかけた。
 お休み中のブランタークさんには悪いが、緊急事態だからな。
 彼を呼んできてもらわないと。

「おーーー!さすがは俺の娘」

「すいませーーーん!」

「何だ? 俺はとても忙しいんだぞって……辺境伯様?」

「「「ええっ!」」」

 振り返った男性の正体を見て俺たちは驚いてしまった。
 なぜなら、前庭で子供と遊んでいたのは、使用人ではなくてブランタークさん本人だったからだ。
 普段のローブ姿じゃないから気がつかなかった。

「……ブランタークさん? 子守りですか?」

「そうだが、しちゃ悪いか?」

 まずいところを見られてしまったなと思ったのであろう。ブランタークさんは『文句あるか?』という表情を浮かべた。

「いえ、俺もたまに子守りはしていますから」

 俺は、たまに子供たちに魔法を見せてあやしたり、ガラガラを鳴らしたりしていた。
 俺はいいのだが、ブランタークさんにはまったく似合っておらず、フェイト義姉さんとリッドは笑いを堪えようと彼から顔を背けていた。

「可愛い娘さんですね」

「・・・だあれ」

 小首を傾げるフランツィスカ。
 俺は、腰を降ろし、フランツィスカと目線を合わせ

「俺は、ルーク。君の父親の知人だよ」

「ルーク」

「ああ」

「わたしのなまえは、フランツィスカです。おとうさまがおせわになっています」

 フランツィスカが頭を下げてきた。
 教育しっかりしているな。

「辺境伯様、うちの娘を誑かすなよ。もう嫁はいらねえだろう?」

「どうして、そこまで話が発展するかな?」

 俺はただ、自己紹介をしているだけなのに。

「いやあ、わからねえぞ」

「どれだけ信用がないんですか」

「事実、嫁が増えているじゃねえか」

「あのですね……」

 これ以上話を続けていても平行線だ。
 俺はブランタークさんに事情を説明し、急ぎ『瞬間移動』でテスタロッサ騎士爵領へと向かうのであった。



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